上越国境(群馬) スルスノ頭(1721.1m) 2020年4月25日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:29 国道353号線ゲート−−5:25 三国スキー場跡−−6:26 湯之沢を渡渉−−7:05 県境稜線(1520m峰)−−8:44 県境稜線と分かれる(標高1850m)−−9:38 スルスノ頭 10:47−−11:55 県境稜線−−13:04 県境稜線と分かれる(1490m鞍部)−−13:17 湯之沢を渡渉−−13:41 三国スキー場跡−−14:20 国道353号線ゲート

場所群馬県吾妻郡中之条町
年月日2020年4月25日 日帰り
天候快晴
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場国道353号線脇に広い駐車スペースあり
登山道の有無県境稜線には夏道あり。県境稜線〜スルスノ頭までは道無し
籔の有無残雪に埋もれて藪は皆無
危険個所の有無無し
山頂の展望東側が開ける
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コメント日本山名事典記載の山で四万温泉奥の山。当初は四万温泉川から登ろうかと考えたが、今年は残雪が少なすぎて藪漕ぎ確実なので越後湯沢側から往復。この場合、県境稜線上に新たに切り開かれた夏道「ぐんま県境稜線トレール」が利用でき藪を回避できる確率が高まり、結果的には藪漕ぎは皆無だった。しかし国道353号線は三国集落外れでゲートで閉められているのは想定外だった。ついでに他に県境稜線には少なくとも2名の足跡があったのには驚いた


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国道脇の広いスペースに駐車 臨時?ゲート
予想外に国道に残雪あり 昨日と思われる足跡。歩幅が広くて合わない
気温は-6℃。この時期にしては低い 旧三国スキー場ゲレンデ跡。唐松が植林されていた
ここから登山道らしい(廃林道)
雪に埋もれた廃林道 スノーシュー登場。今回は大活躍した
渡渉箇所。水量少なく簡単だった この尾根を登った
振り返る 標高1400m付近
標高1450m付近。藪が登場、速度が落ちる 標高1470m付近。藪を巻くことに
尾根東に下ってトラバース 標高1480m付近。最後は雪庇の壁を登る
雪庇を突破して尾根に復帰 巻いた藪区間を振り返る
こちらは1520m峰方向 1520m峰への登り。雪庇が続く
1520m峰から南を見ている。県境稜線に乗った 1563m峰への登り。スノーシューは脱いでいる
南にはコシキノ頭 県境稜線の標識
標識はバネで巻き付けられている。外れやすいようだ 各ピークの標識
1563m峰北西の1520m鞍部にテントあり。足跡の主 真新しいアイゼン跡が延びる
真っ白なピークは上ノ間山 標高1660m付近。傾斜がきつくなる
先人のラッセルはかなりきつかっただろう 再びスノーシュー装着
標高1730m付近 標高1740m付近から振り返る
標高1740m付近から見た西沢ノ頭 1750m肩の文字が消えた古い標識
標高1750mから見た上ノ間山〜上ノ倉山
1820m肩への登り始め。樹林が急に薄くなった 標高1770m付近。樹林が消える
1820m肩から見た1850m峰〜西沢ノ頭。22年前は同じ時期でも無雪で藪漕ぎだった
1820m肩から見た上ノ間山〜大黒ノ頭
1820m肩から見た栂ノ頭〜木戸山 1820m肩から見た筍山
セバトノ頭へと雪庇を進む 仮補修箇所が破損してデッキ固定金具が外れた
雪庇が消えたところから県境稜線を外れて南へ
尾根東側をトラバース気味に下る 標高1840m付近。スルスノ頭への尾根に乗った
1800m等高線に入ると矮小なシラビソ 1800m等高線先端が岩峰。往路は左(東)を巻いた
岩峰を巻いたトレース。雪が柔らかくスノーシューで良かった 標高1790m付近。1790m峰の東を巻く
標高1730m付近。ルートミスに気付いて修正済み 1680m鞍部付近
1703m峰は西を巻いた 標高1690mで尾根に復帰
標高1690mで尾根を横断するように雪庇登場 1630m鞍部からスルスノ頭方面を見ている
標高1650m付近 標高1700m付近
標高1700m付近で藪が出ていたので左を迂回 緩やかに登る
スルスノ頭山頂。北を見ている スルスノ頭山頂。南を見ている
スルスノ頭から東の展望
スルスノ頭から見た谷川岳周辺
スルスノ頭から見た川棚ノ頭〜小出俣山
スルスノ頭付近から見た忠次郎山〜大黒ノ頭 この付近は根曲がり竹ではなく笹らしい
1680m鞍部からの登り返し 標高1720m付近。往路の自分のトレース
標高1780m付近 標高1780m付近から見た東の展望
標高1780m付近から見た上州武尊 標高1800m岩峰手前。復路は左(西)から巻いた
標高1800m岩峰付近から見た東側の展望
標高1800m岩峰付近から見た尾瀬の山々
標高1800mで見かけた唯一の目印
最後は大雪原を県境稜線へと登る
標高1850m付近で県境稜線到着。西側の展望
標高1850m付近から見たスルスノ頭 標高1850m付近から見た上ノ間山〜忠次郎山
1820m肩から見た筍山 県境稜線の足跡は往路と変わらず
1820m肩から見た上ノ間山〜白砂山
1820m肩から見た谷川岳周辺
1820m肩から見た1850m峰〜1852m峰の稜線。雪庇が盛大に張り出している
1766m峰への下り 1750m肩の下りは弱層で滑りまくった
雪が消えてスノーシューはザック背面へ 1563m峰からの下り
1520m峰。往路は奥の尾根から上がってきた 帰りは1490m鞍部から東の谷へ下った
標高1400m付近 標高1380m付近
標高1290m付近で真新しい登りの足跡登場 夏道の渡渉箇所。予想に反して橋は無かった
あとは廃林道歩き 場所によってはすっかり雪が消えていた
旧スキー場跡。一部地面が見えていた 旧スキー場から国道方面に顕著な岩が見えた
岩の拡大。裏側も絶壁だった ガードロープが外されている=メンテされているようだ
雪解け箇所にはフキノトウ多数あり 柏崎刈羽原発から関東への500kV送電線
仮設ゲート到着 2人の足跡の主だろう
駐車箇所到着


・四万温泉の奥地、新潟との県境に近い場所にある山。地形図記載ではなく日本山名事典載の山。その昔、残雪期に四万温泉から栂ノ頭、コシキノ頭、木戸山、新行山と周回したことがあるが、コシキノ頭からさらに北にあるのがスルスノ頭だ。アプローチは四万温泉がいいのだが、小雪の今年でこの時期では残雪が出てくるのは後半で、半分以上は藪漕ぎは確実と予想した。そこで反対側の越後側からアプローチすることにした。こちらの方が残雪が期待できることと、2018年に上州/越後国境で登山道の無かった区間(稲包山〜白砂山)に登山道が開かれたためだ。登山道がある=雪が無くても藪漕ぎ不要で、例年、残雪が少ないセバトノ頭(1890m峰)までは登山道が利用可能で、この先は残雪が期待できるので藪漕ぎの確率はかなり低いと予想。メリットは大きい。

・越後湯沢は四万温泉より遠いが仕方ない。国道117号線で飯山、津南経由で現地入り。昔は国道353号線は旧三国スキー場まで入れたのだが、今は集落の外れ、ゴミ収集車が駐車してある建物前で仮組のゲートが閉じていた。まあ、これも想定の範囲内。ゲートから200mくらい戻った道端の広場に駐車して仮眠。なお、ゲート付近には諏訪ナンバーの車が止まっていて、おそらくテントを担いで幕営だろう。

・翌朝、ライト不要なギリギリの明るさになって出発。冬装備をどうするか悩んだが、週末に寒気が流入したためこのエリアでは新雪が積もった可能性があり、念のためにスノーシューを担ぐことに。6本爪の軽アイゼンもザックに突っ込んでおく。さすがにピッケルは止めておいた。

・最初は乾いた舗装道路歩き。路側のガードロープは雪害予防のため外してあるので、雪の時期が過ぎれば国道は開通するようだ。やがて路面に残雪が現れるが1人の新しい足跡あり。おそらく昨日のもので諏訪ナンバーの車の主だろう。これでしばらく楽ができそうだ。しかし残雪の時期にどこまで行ったのだろうか? もう登山道が開かれたので残雪期に県境稜線を歩くメリットは大幅に低下している。県境稜線以外が目的地だろうか。

・道路上の残雪は足首程度まで潜るが、先行者のトレースは潜らないので大助かり。ただし、歩幅が広すぎて苦労した。よほど背が高いか足が長いか、それとも足が強いのか。おそらく女性ではなく男性だろう。この足跡のおかげでしばしスノーシューを使わずに済んだ。

・旧三国スキー場付近も路面は雪に覆われて真っ白。昔のゲレンデはいつの間にか唐松が植林されていた。まだ背が低くゲレンデの面影が残るが、数10年も経過すれば立派な唐松樹林に成長するだろう。でも、そうなると笹が出てくるかなぁ。私がここを登った時にはまだゲレンデはほぼそのまま残り、草も灌木も皆無で歩きやすかったが。

・旧スキー場の敷地境界に通行止めの標識あり。この先も車道らしい道型が続いているが廃同化しているようだ。この廃車道が県境稜線への登山道として利用されているらしい。足跡は廃林道へと進んでいるのでそれに従う。

・廃林道は湯之沢左岸に沿って奥へと入っていき、地形図によると標高1280m付近で対岸へ渡って県境へと上がっていく。先行者の足跡は廃林道から外れて遠回りしていたりと無駄が多く、所々で無視して廃林道を進んでいたら夏道が沢を渡るポイントを行き過ぎてしまった。夏道には橋があるだろうと予想していたが、当然ながらその他の場所には橋は無い。でもせっかく稼いだ高度を失って戻るよりも、どこか渡れそうな場所から対岸へ渡って適当に斜面を登る方がお得だろう。前回、忠次郎山に登った時にはこの付近は沢沿いに僅かに残雪があるだけで広範囲に笹が露出していたが、今は逆に地面が見える場所は無く一面の残雪。これならルート取りは自由だ。もうトレースが無いのでスノーシューを装着。格段に歩きやすくなった。

・標高1330m付近で対岸から小尾根突き出した場所で渡渉。沢には雪は無いので渡るときはスノーシューを脱ぐ。思ったより水量は少なく渡渉可能な場所を探すのは簡単だった。対岸に上がってスノーシューを再装着。きつい斜面を登り始める。

・雪面には立木は少なく掴まるものがないのに傾斜がかなりきつく、場所によっては雪面に指を突き立てて進む場面も。こういう時はピッケルが欲しいところだが、雪が適度に締まってスノーシューの食い付きが良く、滑る心配はほぼ無し。

・しばらく立木が少ない急斜面だったが、標高1460m付近で傾斜が緩んで肩地形に乗ると同時に石楠花をはじめとする灌木藪が登場、スノーシューでは難儀する。尾根が痩せているとこんな植生になるのであった。少しの間だけ藪尾根直上を進んだが進行速度が大幅に低下したので藪を迂回することに。尾根の左直下はこれまでと同じく背の高いブナ林で灌木皆無の雪面なので、途中で高度を落としてそちらに逃げる。そのまま尾根直下をトラバース気味に登り、尾根上の灌木が消えてブナ林に切り替わったところで小さな雪庇をよじ登って尾根に復帰。ここはピッケルがあった方が良かったが、手を動員して何とか越えられた。

・標高1490m付近で尾根に復帰すると、それまでの痩せた灌木藪尾根が嘘のようなブナの穏やかな尾根に変わる。小規模な雪庇は1520mピークまで続き、1520mピークで県境稜線に到達した。先人の足跡はここで再合流。おそらく雪に埋もれた夏道を辿ったのだろう。帰宅後に自分が歩いた軌跡をGPSで確認したら期せずして夏道ルートをショートカットしていた。

・22年前の同時期に旧三国スキー場から上ノ倉山と大黒山を往復した際は県境稜線一帯は残雪皆無で笹を漕いだが、小雪の今年の方が雪が残っているのが意外であった。冬の間は積雪が少なかったが春先になってから山では何度か降雪があったので、古い雪ではなくそこそこ新しい雪なのだろうと思う。稜線直上の夏道のみ地面が見えている場所が多いが、北隣の西沢ノ頭から連なる尾根は真っ白。、22年前にあそこを歩いた時は雪は皆無で笹と灌木と格闘したなぁ。スノーシューは不要なのでザックの背中へ。

・稜線の小ピークには立派な案内標識が立っていて、ルートの途中にも遭難時の位置特定に役立つ柔らかい樹脂製の看板が立木に取り付けられていた。これは木の幹にバネを巻きつけて取り付けているので木の成長に伴って幹に食い込む心配は無いが、どうも積雪や風には弱いようで数か所でバネが外れた標識があり、私が直しておいた。

・1563m峰を越えた先の1520m鞍部で緑色のテントあり。足跡の主だろう。今朝付いたばかりの新しいアイゼンの足跡が県境稜線を西へと続いている。どこまで足を延ばすのだろうか? もしかしたら白砂山までだろうか。おかげで雪が残る箇所では再びラッセルから解放される。

・小さなピークをいくつか越えて1750m肩への急な登りは緩んだ雪に難儀した。場所によっては膝近くまで潜るきついラッセルで、先人のトレースを利用しても踏み抜きが発生しスノーシューの出番が必要だった。しかも傾斜が急で雪質と相まってダブルのきつさ。それまではブナを中心とした落葉広葉樹林だったが、この登りは低いシラビソで展望が開ける。

・1750m肩に上がると稜線上は幹が細いひょろっとしたシラビソが目立つようになる。南側は新雪の雪庇でラッセルがきついので、北側の背の低いシラビソ樹林の中を縫うように進んでいく。先人の足跡も同様だ。

・1766m峰を越えて1750m鞍部から登り返して標高1760mを越えると目立った立木が無くなって大雪面が広がる。ここは雪が無ければ一面の笹原だった場所だ。今は夏道が開かれたので残雪が無くても歩けるが、今は夏道は残雪に埋もれて様子を窺うことはできない。

・1820m肩で西沢ノ頭の稜線と合流。この北側鞍部はツツジのような強固な灌木藪で跳ね返されながら進んだ記憶が鮮明に残っているが、今は藪は雪に埋もれている。温暖化が今ほど進んでいなかった22年前の方が残雪が少なかったのが不思議だ。

・1820m肩より先は南に雪庇が張り出している。危険なレベルではないが、セバトノ頭(1890m峰)を巻いてスルスノ頭につながる尾根に乗り換え予定なので、もし雪庇が続いていると下ることができず巻くに巻けない。幸い、標高1850m付近まで高度が上がって傾斜が緩やかになると雪庇が消滅して南斜面へ簡単に下れるようになった。

・雪庇よりやや北側に先人のアイゼン跡が続いている。ここからセバトノ頭までは樹林が開けて先が見通せるので人影が無いか探してみたが見当たらない。どれくらいの時間差が付いているのだろうか。私がスルスノ頭から戻ってきたときには、帰りの足跡が増えているだろうか。

・標高1850m付近で県境稜線を離れて南を目指す。雪面には笹が僅かに姿を現しているが、スノーシューなら踏み抜くことは無いので快適だ。ただし、私のスノーシューは長年の使用でジュラルミン製のフレームの摩耗が進んで、デッキがフレームから外れることがたびたびあった。応急処置として摩耗した穴を貫通しているステンレス製金具のネックに銅製針金を巻いたが、数回の使用で銅が摩耗して切れてしまい、再びデッキが外れるようになっていた。しかし切れたのは数か所で外れるのも数か所程度で、応急処置前のようにほとんどの金具が外れてスノーシューとして用をなさないような事態にはならなかった。今はトラバースのような横方向の力を掛けなければ外れることないようだ。

・スルスノ頭に繋がる尾根は背の高いシラビソの他にダケカンバが目立つ植生だ。最初は尾根幅が広く尾根の中心が分かりにくいが、周囲の地形を見ながら大雑把な方向で下って行く。今日は天候が良く視界は良好で先が見通せるので、地形図を頻繁に見ずとも地形を読むことが可能なので楽だ。

・標高1800m等高線に囲まれた平坦な尾根は落葉樹が消えて幹が細いシラビソが密集状態に変わる。1800m等高線先端の肩は岩の小ピークになっていて、往路では東を巻いたが樹林が無く開けた雪面で藪が無いのは良かったが、最後は急な雪面のトラバースだった。帰りは西側の樹林帯を迂回したがこちらの方が歩きやすかった。

・標高1790m峰で尾根が左に屈曲するがピークの東を巻いたのは良かったのだが、地形図を見ていなかったのでそのまま尾根を直進してしまった。ここは左に直角に曲がって南東方向に広い斜面を下るのが正解だった。樹林の隙間から直進方向ではなく左手に尾根のつながりがあることが見えてトラバースして進路修正。ここは傾斜がきつくスノーシューでも緩んだ雪が弱層で良く滑る。

・1703m峰は西から巻いた。雪面から笹が顔を出していたが地面が見えるほどには雪は薄くなっていなかった。おそらく積雪は平均して1m前後だろうか。巻き終わって尾根に戻ると1690m等高線の南端付近で尾根が雪庇で分断されていた。傾斜が緩いところから下ったが、傾斜がきつい場所では笹が完全に出ていたところも見られた。

・1630m鞍部は広く、どこが尾根中心なのか不明な場所。でも西側が緩斜面なのに対して東側が急傾斜で落ち込んでいるので、その急斜面に沿って歩けば尾根を捉えることが可能。鞍部付近はシラビソではなくダケカンバ等の落葉樹が中心で明るい場所。

・鞍部から登り返して標高1700m付近で一時的に傾斜がきつい場所があり、笹が大きく露出していた。ここは雪が残る左側から迂回。その先はこれまで同様のシラビソとダケカンバの混合樹林が山頂まで続く。

・傾斜が緩んで水平移動になるがまだ山頂ではない。尾根直上は雪が少なくスノーシューで歩くのに支障があるので、雪が残った尾根の西側直下を進む。

・緩やかに登り切った地点がスルスノ頭山頂。ネットの記録では山頂標識があったはずだが、山頂周辺を良く探したが見当たらなかった。山頂標識どころか目印の類も見当たらない。ここは地形図記載の山ではないのでしょうがないかも。群馬県内ではこんな山でも「すかいさん」の山頂標識があるのだが。

・ここまでほぼ休憩無しで歩いてかなり疲労したので、日当たりのいい雪面に銀マットを広げて昼寝。雪で藪が隠れていたのは良かったが雪の状態はいいとは言えず、スノーシューを持ってこなかったらここまで届いたかどうか。通常、4月末なら締まった残雪歩きでワカンも不要なのだが。今年は春になってもまとまった降雪があり、その影響だろう。

・水と食料を持ってきたが、水は日差しでたっぷりと水分を含んだ重い雪があるので担いできたのは350ccと少量のみ。飯はなぜが持ってくるパンの種類を間違えたり、いつもの蛋白源も入れ忘れてカロリー少な目。車に戻る頃には腹が減りそうだ。

・帰りは往路を戻る。県境稜線に戻ったら先人の足跡は片道分と往路と変わりなし。かなり先まで足を延ばしているのは確実で、本当に白砂山までだったりして。日差しで緩んだ雪にスノーシューが大いに役立ったが、1750m肩からの急な下りは弱層で表層の新雪ごと滑るので、歩くというより滑り落ちる感じだった。この下りが終わると夏道が出た区間が多くなるのでスノーシューを脱いだ。

・往路で見たテントは帰りは気付かずに通過。往路で県境稜線に出た1510m峰を下った1490m鞍部から北東へ落ちる谷筋へルート変更。ここを下れば夏道が湯之沢を渡る場所に出られるので、素直に夏道ルートを行くより大幅ショートカットが可能。

・雪が緩んで脛から膝まで潜るがスノーシューを付けるのが面倒で重力に任せてどんどん下っていく。かなり下まで谷は雪に埋もれて流れが出ていないので谷の真ん中を歩き、流れが顔を見せ始めたところで左岸側を高巻き気味に下っていく。

・標高1320m付近で左手から落ちてきた尾根に乗り、そのまま尾根を下る。この尾根の標高1300m付近から夏道が乗るはずだが積雪で判別不能だった。しかし標高1290m付近で先人の昨日の足跡が登場、ここが夏道らしいことが判明。僅かに下ると真新しい登りの足跡が登場。明らかに今日登ったばかりの足跡で1510m峰には無かった足跡だ。ということは、この足跡の主が雪に埋もれた夏道を辿っている間にショートカットした私と入れ違いになったということか。夏道があるのにこの時期に2人も入山者がいるとは予想外。

・積雪で不明だが、おそらく夏道が湯之沢を渡ると思われる箇所に到着すると予想と違って橋が無い! ただし、往路で渡渉した場所同様に、水量が多いであろう残雪期でも飛び石を利用して簡単に渡ることができる程度の水量だった。

・対岸の廃林道を歩いていると南向きの斜面ということもあり、今朝よりも新雪の量は明らかに減少して地面が見える場所もあった。旧三国スキー場でも一部で砂利道が見えていた。国道も同様で、新雪が消えると道路の端は雪が無い場所が結構あり、往路より楽をできた。足跡があるといっても固い地面やアスファルトの方が格段に足への負荷は少ない。・無事に仮設ゲートに到着。近くに駐車する車は長岡ナンバーが1台増えていた。この主が新しい足跡の人だろう。

 

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